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隣地の木の枝が越境した場合|民法第233条が定める枝と根の扱いの違い

庭の手入れをしていると、隣地から伸びてきた枝や根の扱いに迷う場面があります。民法第233条は、枝と根とで違う扱いを定めています。よく知られているとおり根は自分で切り取れますが、枝については条文に3つの例外が並んでいます。

最終更新日:2026-09-30

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

民法 第233条(竹木の枝の切除及び根の切取り)
土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。三 急迫の事情があるとき。4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
出典:e-Gov法令検索(民法)

枝と根で条文の書き方が違う

出典:民法 第233条(e-Gov法令検索)。

枝(第1項・第3項)根(第4項)
原則竹木の所有者に、その枝を切除させることができるその根を切り取ることができる
自分で切れるか第3項の一号から三号のいずれかに当たるときに切り取ることができる条文上、要件は付されていない
条文の言い回し「切除させることができる」(第1項)/「切り取ることができる」(第3項)「切り取ることができる」

枝は、まず所有者に切除させるのが原則(第1項)

第233条第1項は「その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」と書いています。自分で切れるとは書いていません。越境している枝について、まず求められるのは所有者への申し入れです。第3項はこの第1項の場合を受けて、例外的に自分で切り取れる場面を3つ挙げています。

自分で切り取れる3つの場合(第3項)

第3項は、第1項の場合において次に掲げるときは土地の所有者がその枝を切り取ることができるとして、一号から三号を列挙しています。

一号 催告しても切除されないとき

竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。条文は「相当の期間」とのみ書いており、何日といった数字は定めていません。

二号 所有者が分からない・所在が分からないとき

竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。空き家や相続後に管理されていない土地で問題になる場面です。

三号 急迫の事情があるとき

急迫の事情があるとき。条文はこれ以上具体化していません。

竹木が共有されている場合は第2項

第2項は「前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる」と定めています。これは越境された側ではなく、竹木の共有者について書かれた規定です。共有者の一人が単独で切り取れるという趣旨の条文で、全員の同意を待たなくてよいという建て付けになっています。

根は第4項で、要件が付いていない

第4項は「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」とだけ定めています。枝のような催告の手順は書かれていません。ただし、切り取ることで竹木そのものが枯れるような場合に別の問題が生じ得るかどうかは、条文からは読み取れません。

本ページで判定できない事項

条文は「相当の期間」の長さ、催告の方法、切除にかかった費用を誰が負担するかについて、いずれも具体的に定めていません。実際の判断は事案ごとに異なります。隣地の方との間で話がつかない場合は、弁護士や自治体の法律相談窓口へご相談ください。当サイトは個別の事案について切除の可否を判定していません。

越境した枝・根に気づいたときの進め方

  • 1越境している部分が枝なのか根なのかを確認する(条文上の扱いが異なります)
  • 2境界線の位置を確認し、どこから越境しているかを写真と寸法で記録する
  • 3枝の場合、まず竹木の所有者に切除を申し入れる
  • 4申し入れの内容と日付が残る方法で伝える(第3項一号の催告に当たるかの判断材料になります)
  • 5所有者が分からない場合は、登記や自治体の窓口で所有者の確認を試みる
  • 6自分で切り取る前に、費用の負担や切り取る範囲について認識をそろえておく

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よくある質問

Q隣の木から越境してきた枝は、自分で切ってもよいですか。▼
A民法第233条第1項は、竹木の所有者にその枝を切除させることができると定めており、自分で切れるとは書いていません。自分で切り取れるのは第3項が挙げる3つの場合、すなわち催告したにもかかわらず相当の期間内に切除されないとき、所有者を知ることができずもしくはその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときです。
Q越境してきた根はどうですか。▼
A第233条第4項は「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」と定めています。枝のような催告の手順は条文に書かれていません。
Q催告してから何日待てばよいですか。▼
A条文は「相当の期間」とのみ定めており、日数は書かれていません。どの程度が相当かは事案によります。判断に迷う場合は弁護士や自治体の法律相談窓口へご相談ください。

出典

条文は2026-09-30時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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