前面道路が4m未満の場合、門や塀はどこまで建てられるか|建築基準法42条2項と44条
古い住宅地では、家の前の道の幅が4メートルに満たないことがあります。こうした道の一部は、建築基準法上「道路」とみなされ、道の中心線から一定の距離の線が道路の境界線として扱われます。門や塀の位置を決める外構工事では、この扱いが前提になります。条文を引用して整理しています。
最終更新日:2026-10-12
本ページの見方
- 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
- 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
- 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。
根拠となる条文
都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。出典:e-Gov法令検索(建築基準法)
建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。出典:e-Gov法令検索(建築基準法)
建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。出典:e-Gov法令検索(建築基準法)
特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。出典:e-Gov法令検索(建築基準法)
幅員4メートル未満の道について条文が定めていること
出典:建築基準法 第2条第1号・第42条第2項・第3項・第44条第1項(e-Gov法令検索)。「内容」欄は条文の文言を要約したものです。
| 規定 | 内容 |
|---|---|
| 第42条2項(対象) | この章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道で、特定行政庁が指定したもの |
| 第42条2項(原則) | 道の中心線から水平距離2メートルの線を道路の境界線とみなす |
| 第42条2項(6m区域) | 第1項で6メートルとされた区域内では中心線から3メートル(特定行政庁が支障がないと認める場合は2メートル) |
| 第42条2項(ただし書き) | 道の片側が崖地・川・線路敷地などに沿う場合は、その崖地等の側の境界線から道の側に4メートルの線を道路の境界線とみなす |
| 第42条3項 | 土地の状況でやむを得ない場合、特定行政庁は中心線から1.35メートル以上2メートル未満(崖地等からは2.7メートル以上4メートル未満)の範囲で別に指定できる |
| 第44条1項 | 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築・築造してはならない(各号の例外あり) |
| 第2条1号 | 建築物には、建物に「附属する門若しくは塀」が含まれる |
「みなし境界線」より道路側は、建築基準法上の道路として扱われる
第42条第2項の道は、実際の道幅が4メートルに満たなくても、法律上は道路とみなされます。そのうえで、道の中心線から原則2メートルの線が「道路の境界線」とみなされます。たとえば道幅が3.6メートルなら、中心線から自分の敷地側へ2メートルの線が境界線になるため、実際の道端から約20センチメートル敷地側に入った線が、建築基準法上の道路との境界になるということです(道の両側で後退する場合の単純な計算例です)。この線より道路側の部分は、敷地の一部であっても建築基準法上は道路として扱われます。
門・塀は「建築物」に含まれ、道路内には建てられない
第44条第1項は、建築物と敷地を造成するための擁壁を、道路内に、又は道路に突き出して建築・築造してはならないと定めています。そして第2条第1号は、建築物の定義に、建物に「附属する門若しくは塀」を含めています。この2つの条文を合わせると、住宅に附属する門や塀を、第42条第2項でみなされた境界線より道路側に設けることは、第44条の制限にかかわることになります。古い塀を建て替える、門柱を新しくするといった外構工事でも、この線の位置が前提になります。
第2条第1号
建物に附属する門・塀は「建築物」に含まれる。
第42条第2項
中心線から原則2メートルの線が道路の境界線とみなされる。
第44条第1項
建築物・擁壁は、道路内や道路に突き出して建ててはならない。
自宅前の道が「2項道路」に当たるかは、特定行政庁が指定している
第42条第2項の道に当たるのは「特定行政庁の指定したもの」です。見た目の道幅だけでは判断できず、どの道が指定されているかは特定行政庁(市区町村や都道府県の建築行政の窓口)が把握しています。また第3項により、土地の状況によっては中心線からの距離が別に指定されていることもあります。外構の計画を立てる前に、前面道路の種別と後退の距離を窓口で確認しておくと、門や塀の位置を決める根拠になります。
本ページで判定できない事項
お住まいの前面道路が第42条第2項の道に当たるか、後退距離がいくつか、既存の門・塀がどう扱われるかは、特定行政庁の指定や敷地の経緯によって異なるため、当サイトでは判定していません。建物に附属しない工作物や植栽、後退部分の舗装の扱い、後退部分の整備に関する自治体独自の制度(助成の有無や金額を含む)も、自治体ごとに異なるため記載していません。所管の窓口でご確認ください。
前面道路が狭い敷地で外構を計画するときに確認すべき事項
- 1前面道路の幅を測り、4メートル未満かどうかを確認する
- 2前面道路が建築基準法上どの種別の道路かを、特定行政庁(建築行政の窓口)で確認する
- 3後退が必要な場合、中心線から何メートルの線が境界線とみなされるかを確認する
- 4門柱・門扉・塀の計画位置が、その線より敷地側にあるかを図面で確認する
- 5既存の塀を撤去・建て替える場合、新しい位置をどこにするかを業者と確認する
- 6公道に面する歩道の切り下げなど、道路法側の手続き(歩道の切り下げのページ参照)も合わせて確認する
関連する工事の解説
よくある質問
Q家の前の道が4メートルないのですが、門や塀を道路ぎりぎりに建て替えてもよいですか。▼
Q中心線から2メートルではない場合もありますか。▼
Q擁壁も同じ扱いですか。▼
出典
条文は2026-10-12時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。