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庭に池や溝を掘る場合の境界からの距離|民法237条(池は1m・井戸は2m・溝は深さの1/2)

庭づくりでは、池やビオトープを掘る、水路や溝を設ける、配管を埋めるといった「地面を掘る」工事があります。民法第237条は、境界線の近くで掘るときに保たなければならない距離を、掘るものの種類ごとに数値で定めています。条文を引用し、数値の読み方を整理しています。

最終更新日:2026-10-12

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

民法 第237条(境界線付近の掘削の制限)
井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめを掘るには境界線から二メートル以上、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から一メートル以上の距離を保たなければならない。2 導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの二分の一以上の距離を保たなければならない。ただし、一メートルを超えることを要しない。
出典:e-Gov法令検索(民法)
民法 第238条(境界線付近の掘削に関する注意義務)
境界線の付近において前条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない。
出典:e-Gov法令検索(民法)

民法第237条が定める境界線からの距離

出典:民法 第237条(e-Gov法令検索)。計算例は条文の数値に当てはめたもので、個別の工事の適否を示すものではありません。

掘るもの境界線から保つ距離根拠
井戸・用水だめ・下水だめ・肥料だめ2メートル以上第237条1項
池・穴蔵・し尿だめ1メートル以上第237条1項
導水管を埋める・溝や堀を掘る深さの2分の1以上(1メートルを超えることは要しない)第237条2項
(計算例)深さ40cmの溝20cm以上第237条2項に当てはめた計算
(計算例)深さ1.2mの溝60cm以上同上
(計算例)深さ3mの溝1.5mではなく1mで足りる同項ただし書き

池は1メートル、井戸は2メートル

第237条第1項は、掘るものを2つのグループに分けています。井戸・用水だめ・下水だめ・肥料だめは境界線から2メートル以上、池・穴蔵・し尿だめは1メートル以上です。庭に池やビオトープをつくる場合は、条文の「池」に当たるかどうかが距離を考える出発点になります。距離は「境界線から」測ると書かれているため、境界線の位置がはっきりしていることが前提です。

溝・導水管は「深さ」で距離が変わり、上限は1メートル

第237条第2項は、導水管を埋める場合と、溝や堀を掘る場合について、境界線から「その深さの二分の一以上」の距離を保つことを求めています。深く掘るほど離す必要がありますが、ただし書きで「一メートルを超えることを要しない」とされているため、どれだけ深くても1メートル離せば足りるという上限があります。

深さ40cmの場合

40cm × 1/2 = 20cm以上。

深さ1.2mの場合

1.2m × 1/2 = 60cm以上。

深さ3mの場合

計算上は1.5mだが、ただし書きにより1mで足りる。

距離を守っても、崩れと水漏れへの注意義務は残る

第238条は、境界線の付近で第237条の工事をするときは「土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならない」と定めています。距離の基準を満たしていれば何をしてもよいという建て付けではなく、掘った穴の側面が崩れないようにする、池の水が隣地へ漏れないようにするといった配慮が別に求められています。池の防水シートや護岸の仕様は、この観点からも確認しておきたい点です。

本ページで判定できない事項

庭の設備が条文の「池」「用水だめ」「導水管」のどれに当たるのか(たとえば雨水タンクや浸透桝、排水管など)は、条文に例示がなく、当サイトでは判定していません。また、第237条と異なる慣習や当事者間の取り決めがある場合の扱い、井戸の掘削について自治体が別に定めている手続きなども、個別にご確認ください。

境界の近くで掘る工事を頼むときに確認すべき事項

  • 1境界標の位置を確認し、境界線から何センチ離れた位置で掘るのかを図面で確認する
  • 2池・ビオトープの場合、境界線から1メートル以上離れているかを確認する
  • 3溝や配管の場合、掘る深さと境界線からの距離を確認する(深さの2分の1以上、上限1メートル)
  • 4池の防水仕様(シート・コンクリートなど)と、隣地側への水漏れ対策を確認する
  • 5掘削中に土が崩れないよう、どのような養生をするかを業者に確認する
  • 6井戸を掘る計画がある場合は、自治体の手続きの有無も別に確認する

関連する工事の解説

よくある質問

Q庭に池をつくるとき、境界から何メートル離せばよいですか。▼
A民法第237条第1項は、池、穴蔵又はし尿だめを掘るには境界線から1メートル以上の距離を保たなければならないと定めています。井戸、用水だめ、下水だめ又は肥料だめは2メートル以上です。
Q排水用の溝を境界ぎりぎりに掘ってもよいですか。▼
A民法第237条第2項は、導水管を埋め、又は溝若しくは堀を掘るには、境界線からその深さの2分の1以上の距離を保たなければならないと定めています。ただし1メートルを超えることは要しません。
Q距離を守っていれば、ほかに気をつけることはありませんか。▼
A民法第238条は、境界線の付近において第237条の工事をするときは、土砂の崩壊又は水若しくは汚液の漏出を防ぐため必要な注意をしなければならないと定めています。距離とは別に、崩れや水漏れへの配慮が求められています。

出典

条文は2026-10-12時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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