地区計画や景観計画の区域で塀・フェンスを設ける場合|着手30日前の届出と「垣又はさく」の制限
分譲地や住宅地の一部には、地区計画や景観計画によって、塀や柵の構造、建物や工作物の色・形が決められている区域があります。こうした区域では、塀やフェンス、門柱を新しく設ける前に、市町村への届出が必要になることがあります。都市計画法と景観法の条文を引用し、届出の時期と対象を整理しています。
最終更新日:2026-10-17
本ページの見方
- 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
- 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
- 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。
根拠となる条文
地区計画の区域(中略)内において、土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為を行おうとする者は、当該行為に着手する日の三十日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。出典:e-Gov法令検索(都市計画法)
法第五十八条の二第一項各号列記以外の部分の政令で定める行為は、工作物の建設及び次の各号に掲げる土地の区域内において行う当該各号に定める行為とする。出典:e-Gov法令検索(都市計画法施行令)
法第十二条の五第七項第二号の建築物等に関する事項で政令で定めるものは、垣又はさくの構造の制限とする。出典:e-Gov法令検索(都市計画法施行令)
市町村長は、第一項又は前項の規定による届出があつた場合において、その届出に係る行為が地区計画に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。出典:e-Gov法令検索(都市計画法)
景観計画区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令(第四号に掲げる行為にあっては、景観行政団体の条例。以下この条において同じ。)で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない。一 建築物の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(以下「建築等」という。)二 工作物の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(以下「建設等」という。)出典:e-Gov法令検索(景観法)
地区計画区域と景観計画区域の届出の比較
出典:都市計画法 第58条の2、同法施行令 第38条の4・第38条の5、景観法 第16条(e-Gov法令検索)。届出が必要な規模や除外される行為の詳細は、各自治体の地区計画・景観計画・条例で定められています。
| 項目 | 地区計画の区域 | 景観計画区域 |
|---|---|---|
| 根拠 | 都市計画法第58条の2 | 景観法第16条 |
| 届出先 | 市町村長 | 景観行政団体の長 |
| 届出の時期 | 着手する日の30日前まで | あらかじめ |
| 塀・フェンスなど工作物の扱い | 工作物の建設は届出の対象(施行令第38条の4) | 工作物の新設・増築・改築・移転、外観の変更、色彩の変更が対象(第1項第2号) |
| 届出を要しない行為 | 通常の管理行為・軽易な行為など(施行令第38条の5) | 通常の管理行為・軽易な行為など(第7項第1号) |
| 届出の後 | 地区計画に適合しない場合、設計の変更などの勧告(第3項) | 景観計画の制限に適合しない場合、届出から30日以内に勧告(第3項・第4項) |
地区計画では、塀や柵の構造が制限されていることがある
都市計画法第12条の5第7項第2号は、地区整備計画に定めることができる事項として、建築物等の高さや形態・色彩などの制限を挙げ、政令で定める事項を加えています。施行令第7条の6は、その政令で定めるものを「垣又はさくの構造の制限」としています。地区によっては、道路に面する部分を生垣や透過性のあるフェンスにする、ブロック塀の高さを抑えるといった内容が定められていることがあり、具体的な内容は地区ごとの都市計画で確認する必要があります。
地区計画の区域では、工作物の建設も届出の対象になる
第58条の2第1項は、地区計画の区域(地区整備計画などが定められている区域)内で、土地の区画形質の変更、建築物の建築、その他政令で定める行為を行う者に、着手する日の30日前までの届出を求めています。施行令第38条の4は、その政令で定める行為に「工作物の建設」を含めています。塀、フェンス、門柱などは工作物に当たるため、建物を建てない外構工事でも届出が必要になる場合があります。一方、施行令第38条の5は、建築物に附属する物干場や建築設備などの工作物の建設を、届出を要しない行為として挙げています。
届出の時期
行為に着手する日の30日前まで(第58条の2第1項)。
届出の後
地区計画に適合しないと認められると、設計の変更などを勧告されることがある(第58条の2第3項)。
景観計画区域では、工作物の色彩の変更も届出の対象になる
景観法第16条第1項第2号は、景観計画区域内での工作物の新設・増築・改築・移転に加え、外観を変更することとなる修繕・模様替や色彩の変更も届出の対象としています。塀を塗り替える、門扉の色を変えるといった工事も条文上の対象に含まれ得ます。ただし、第16条第7項第1号は通常の管理行為・軽易な行為などを適用から除いており、届出が必要となる工作物の規模や種類は、各景観行政団体の景観計画や条例で定められています。
本ページで判定できない事項
敷地が地区計画や景観計画の区域に含まれるか、計画している塀やフェンスが届出の対象規模に当たるか、地区で定められた制限に適合するかは、当サイトでは判定していません。区域と制限の内容は市区町村の都市計画・景観の担当窓口で確認できます。分譲地では、地区計画とは別に、売買契約や建築協定で外構の決まりが定められている場合もあります。
地区計画・景観計画の区域で外構工事をするときに確認すべき事項
- 1敷地が地区計画(地区整備計画)や景観計画の区域に含まれるかを、市区町村の窓口や公表資料で確認する
- 2地区整備計画に「垣又はさくの構造の制限」が定められているかを確認する
- 3塀・フェンス・門柱の高さ、材料、色が地区の制限に合っているかを図面で確認する
- 4届出が必要な場合、着手日の30日前までに提出できる工程になっているかを確認する
- 5届出を施主が行うのか、施工業者や設計者が代わりに準備するのかを確認する
- 6分譲地の場合、建築協定や売買契約の取り決めがないかもあわせて確認する
関連する工事の解説
よくある質問
Q地区計画の区域でフェンスを設ける場合、届出は必要ですか。▼
Q地区計画で塀の構造が決められることはありますか。▼
Q景観計画区域で塀の色を変える場合も届出が必要ですか。▼
出典
条文は2026-10-17時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。