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外構工事の契約で事実と違う説明を受けた場合|消費者契約法の取消しと、高額な解約料条項の無効

個人が自宅の外構や庭の工事を業者に頼む契約は、消費者契約法の「消費者契約」に当たり得ます。消費者契約法は、勧誘の方法に問題があった場合の取消しと、契約書の条項のうち無効になるものを定めています。訪問販売のクーリング・オフ(特定商取引法)とは別の制度です。条文を引用し、どのような場合が対象になっているかを整理しています。

最終更新日:2026-10-17

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

消費者契約法 第2条第1項〜第3項(定義)
この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。2 この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」とは、法人その他の団体及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。3 この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。
出典:e-Gov法令検索(消費者契約法)
消費者契約法 第4条第1項・第3項 抜粋(意思表示の取消し)
消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。一 重要事項について事実と異なることを告げること。(中略)3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。(中略)九 当該消費者が当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をする前に、当該消費者契約を締結したならば負うこととなる義務の内容の全部若しくは一部を実施し、又は当該消費者契約の目的物の現状を変更し、その実施又は変更前の原状の回復を著しく困難にすること。
出典:e-Gov法令検索(消費者契約法)
消費者契約法 第7条第1項(取消権の行使期間等)
第四条第一項から第四項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間(同条第三項第八号に係る取消権については、三年間)行わないときは、時効によって消滅する。当該消費者契約の締結の時から五年(同号に係る取消権については、十年)を経過したときも、同様とする。
出典:e-Gov法令検索(消費者契約法)
消費者契約法 第9条第1項第1号(損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの当該超える部分
出典:e-Gov法令検索(消費者契約法)
消費者契約法 第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
出典:e-Gov法令検索(消費者契約法)

外構工事の契約に関係し得る消費者契約法の規定

出典:消費者契約法 第2条・第4条・第7条・第9条・第10条(e-Gov法令検索)。第4条には、表に挙げたもの以外の類型もあります。各号の文言を要約しています。

類型内容根拠
不実告知重要事項について事実と異なることを告げ、それが事実であると誤認して契約した第4条第1項第1号
断定的判断の提供将来の変動が不確実な事項について断定的判断を提供され、確実であると誤認して契約した第4条第1項第2号
不利益事実の不告知利益となる旨を告げ、不利益となる事実を故意又は重大な過失によって告げなかった第4条第2項
不退去住居などから退去すべき旨の意思を示したのに、事業者が退去しなかった第4条第3項第1号
契約前の義務の実施など契約前に義務の内容を実施し、又は目的物の現状を変更して、原状の回復を著しく困難にした第4条第3項第9号
取消しの期間追認をすることができる時から1年間(第4条第3項第8号は3年間)、契約締結の時から5年(同10年)第7条第1項
解約料の条項同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分は無効第9条第1項第1号
一方的に不利な条項民法第1条第2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項は無効第10条

個人が自宅の工事を頼む契約は、消費者契約に当たり得る

第2条は、「消費者」を事業として又は事業のために契約の当事者となる場合を除く個人とし、「消費者契約」を消費者と事業者との間で締結される契約としています。自宅の庭や外構の工事を個人として業者に依頼する場合は、この定義に当たり得ます。賃貸物件のオーナーが事業として工事を依頼する場合などは、扱いが変わることがあります。

勧誘の方法によっては、契約を取り消すことができる

第4条は、事業者の勧誘に一定の問題があり、それによって契約した場合に、消費者が契約の申込み又は承諾の意思表示を取り消すことができると定めています。重要事項について事実と異なることを告げられた場合(第1項第1号)や、住居から退去すべき旨の意思を示したのに事業者が退去しなかった場合(第3項第1号)がその例です。外構工事に関係しやすい類型として、第3項第9号は、契約の申込み又は承諾の前に、契約の義務の内容を実施したり目的物の現状を変更したりして、原状の回復を著しく困難にすることを挙げています。

取消しには期間がある

第7条第1項は、第4条の取消権について、追認をすることができる時から1年間行わないときは時効によって消滅し、契約締結の時から5年を経過したときも同様とすると定めています(第4条第3項第8号に係る取消権は3年間・10年)。取消しを検討する場合は、期間内に、事業者に意思表示を伝える必要があります。

平均的な損害を超える解約料は、その超える部分が無効になる

第9条第1項第1号は、契約の解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金の条項について、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分を無効としています。第10条は、法令の任意規定の場合に比べて消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項で、民法第1条第2項の基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。契約書の解約・キャンセルの条項は、署名の前に確認しておきたい箇所です。

本ページで判定できない事項

個別の勧誘や契約条項が消費者契約法の取消しや無効の要件に当たるか、平均的な損害の額がいくらかは、当サイトでは判定していません。訪問販売で契約した場合のクーリング・オフは特定商取引法の制度で、別のページで整理しています。契約のトラブルは、消費者ホットライン(188)で身近な消費生活センター等の相談窓口を案内してもらえます。

外構工事の契約で確認すべき事項

  • 1工事の内容・金額・工期について受けた説明が、契約書と見積書に書かれているかを確認する
  • 2説明の内容と根拠(保証・耐用年数・補助金など)を書面で受け取る
  • 3契約前に工事を始める、庭木を切るなどの提案があった場合は、契約するまで作業を断る
  • 4契約書の解約・キャンセルの条項(時期ごとの解約料)を署名の前に確認する
  • 5取消しを検討する場合は、期間(追認をすることができる時から1年間など)を確認する
  • 6訪問販売で契約した場合は、クーリング・オフの期間もあわせて確認する

関連する工事の解説

よくある質問

Q業者から事実と違う説明を受けて外構工事を契約した場合、取り消せますか。▼
A消費者契約法第4条第1項第1号は、事業者が勧誘に際して重要事項について事実と異なることを告げ、消費者がそれを事実であると誤認して契約の申込み又は承諾の意思表示をしたときは、取り消すことができると定めています。個別の事案が当たるかは、消費生活センター等にご相談ください。
Q契約前に業者が庭の工事を始めてしまった場合はどうなりますか。▼
A消費者契約法第4条第3項第9号は、契約の申込み又は承諾の意思表示の前に、契約の義務の内容の全部若しくは一部を実施し、又は目的物の現状を変更し、原状の回復を著しく困難にすることを、取消しの対象となる勧誘行為の一つとして挙げています。
Q高額なキャンセル料の条項は有効ですか。▼
A消費者契約法第9条第1項第1号は、解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金の合計が、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える場合、その超える部分を無効としています。個別の条項の判定は当サイトでは行っていません。

出典

条文は2026-10-17時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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