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外構工事の仕上がりに不具合があった場合|請負の契約不適合責任と「知った時から1年以内の通知」(民法637条)

外構工事が終わった後に、ひび割れや傾き、水たまりなど、契約で想定していた仕上がりと違う点が見つかることがあります。民法は、売買について定めた「契約の内容に適合しない」場合の規定を、請負などの有償契約に準用し、請負に固有の期間制限も置いています。条文を引用し、施主が求められることと、期限の考え方を整理しています。

最終更新日:2026-10-17

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

民法 第632条(請負)
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
出典:e-Gov法令検索(民法)
民法 第559条(有償契約への準用)
この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
出典:e-Gov法令検索(民法)
民法 第562条第1項・第563条第1項・第564条 抜粋
引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。(中略)前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。(中略)前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
出典:e-Gov法令検索(民法)
民法 第636条(請負人の担保責任の制限)
請負人が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を注文者に引き渡したとき(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時に仕事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないとき)は、注文者は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでない。
出典:e-Gov法令検索(民法)
民法 第637条(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
前条本文に規定する場合において、注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。2 前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡した時(その引渡しを要しない場合にあっては、仕事が終了した時)において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない。
出典:e-Gov法令検索(民法)

契約の内容に適合しない場合に注文者(施主)が求められること

出典:民法 第559条・第562条〜第564条・第636条・第637条(e-Gov法令検索)。売買の規定は第559条により請負に準用されるため、表では「買主」を注文者、「代金」を報酬に読み替えて記載しています。契約書に別の定めがある場合は、その内容もあわせて確認が必要です。

請求・制限内容根拠
履行の追完目的物の修補などによる履行の追完を請求できる第562条第1項(第559条で準用)
報酬の減額相当の期間を定めて追完を催告し、期間内に追完がないとき、不適合の程度に応じて減額を請求できる第563条第1項(同)
催告なしの減額追完が不能なとき、請負人が追完を拒絶する意思を明確に表示したときなど第563条第2項(同)
損害賠償・解除第415条の損害賠償、第541条・第542条の解除を妨げない第564条(同)
施主の材料・指図による不適合原則として上記の請求ができない(請負人が不適当と知りながら告げなかった場合を除く)第636条
通知の期間不適合を知った時から1年以内に請負人に通知しないと、上記の請求ができない第637条第1項
期間制限の例外引渡し時に請負人が不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは適用しない第637条第2項

外構工事の契約は、民法上の「請負」として扱われる

民法第632条は、請負を、当事者の一方が仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約する契約としています。カーポートの設置や土間コンクリートの打設のように、工事を完成させることに対して代金を支払う契約はこれに当たります。第559条により、売買について定めた契約不適合の規定(第562条以下)が、請負にも準用されます。

最初に求めるのは、直してもらうこと(履行の追完)

第562条第1項は、目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないとき、修補などによる履行の追完を請求できると定めています。報酬の減額は、第563条第1項により、相当の期間を定めて追完を催告し、その期間内に追完がないときに請求できる建て付けです。追完が不能な場合や、請負人が追完を拒絶する意思を明確に表示した場合などは、催告なしに減額を請求できます(同条第2項)。損害賠償と解除は、第564条により別に妨げられません。

追完(第562条)

修補などを求める。

減額(第563条)

原則として、相当の期間を定めた催告の後。

損害賠償・解除(第564条)

第415条・第541条・第542条の規定による。

不適合を知った時から1年以内に「通知」する

第637条第1項は、注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、その不適合を理由とする追完・減額・損害賠償・解除の請求ができなくなると定めています。条文が求めているのは期間内の「通知」で、期間内に訴えを起こすことまでは書かれていません。不具合に気づいたら、日付と内容が残る方法で施工業者に伝えておくと確実です。なお、引渡しの時に請負人が不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは、この期間制限は適用されません(第637条第2項)。

施主の指図や支給した材料による不適合は、原則として請求の対象外になる

第636条は、注文者が提供した材料の性質や注文者の指図によって生じた不適合を理由として、追完・減額・損害賠償・解除を請求することはできないと定めています。ただし、請負人がその材料や指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りではありません。施主が材料を用意する場合や、仕様を細かく指定する場合は、その仕様で問題がないかを施工前に確認しておくことが、後の扱いにも関わります。

本ページで判定できない事項

個別の不具合が契約の内容に適合しないものに当たるか、どの請求が認められるかは、契約書の内容や工事の状況によって判断が変わるため、当サイトでは判定していません。契約書に保証期間や担保責任についての特約がある場合は、その内容も確認が必要です。事業者との契約条項が消費者の利益を一方的に害する場合の扱いは、消費者契約法のページで整理しています。トラブルの相談先としては、消費者ホットライン(188)があります。

外構工事の不具合に備えて確認すべき事項

  • 1契約書・図面・仕様書を保管し、仕上がりの基準がどこに書かれているかを確認する
  • 2引渡しの日に、施工業者と一緒に仕上がりを確認し、気づいた点を書面に残す
  • 3契約書に保証期間やアフターサービスの定めがあるかを確認する
  • 4不具合に気づいたら、日付・写真・内容を記録し、日付が残る方法で施工業者に通知する
  • 5施主が材料を用意する場合や仕様を指定する場合は、その仕様で問題がないかを施工前に確認する
  • 6話し合いがまとまらない場合の相談先(消費者ホットライン188など)を把握しておく

関連する工事の解説

よくある質問

Q外構工事の後でひび割れが見つかった場合、直してもらえますか。▼
A民法第562条第1項(第559条で請負に準用)は、目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないとき、修補などによる履行の追完を請求できると定めています。個別のひび割れが契約の内容に適合しないものに当たるかは、当サイトでは判定していません。
Q不具合を伝える期限はありますか。▼
A民法第637条第1項は、注文者が不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、その不適合を理由として追完・減額・損害賠償・解除の請求ができないと定めています。引渡し時に請負人が不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この規定は適用されません。
Q自分で指定した材料が原因の不具合も、業者に請求できますか。▼
A民法第636条は、注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、追完・減額・損害賠償・解除の請求はできないと定めています。ただし、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りではありません。

出典

条文は2026-10-17時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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