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風致地区で外構・庭の工事をするには許可が必要か|木竹の伐採・宅地の造成・工作物の建設と許可の基準(都市計画法第58条・風致地区政令)

風致地区は、都市の風致を維持するため都市計画で定める地区です。区域内では、建築物の建築だけでなく、庭木の伐採、土地の造成、擁壁などの工作物の建設も、条例にもとづく許可の対象になります。許可が必要になる規模や基準は条例で定められるため、自治体ごとに異なります。条文を引用し、横浜市と文京区の公表資料を例に、外構・庭の工事で確認すべき事項を整理しています。

最終更新日:2026-10-24

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

都市計画法 第9条第22項(風致地区)
風致地区は、都市の風致を維持するため定める地区とする。
出典:e-Gov法令検索(都市計画法)
都市計画法 第58条第1項(建築等の規制)
風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為については、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる。
出典:e-Gov法令検索(都市計画法)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第2条(地方公共団体の条例)
都市計画法第五十八条第一項の規定に基づく条例は、面積が十ヘクタール以上の風致地区(二以上の市町村(都の特別区を含む。以下同じ。)の区域にわたるものに限る。以下同じ。)に係るものにあつては都道府県が、その他の風致地区に係るものにあつては市町村が定めるものとする。
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第3条第1項 柱書(行為の制限)抜粋
風致地区内においては、次に掲げる行為は、あらかじめ、面積が十ヘクタール以上の風致地区にあつては都道府県知事(市(都の特別区を含む。以下同じ。)の区域内にあつては、当該市の長。以下「都道府県知事等」という。)、その他の風致地区にあつては市町村の長の許可を受けなければならないものとする。ただし、(中略)非常災害のため必要な応急措置として行う行為及び通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で条例で定めるものについては、この限りでないものとする。
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第3条第1項第1号
建築物の建築その他工作物の建設
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第3条第1項第3号
宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更(以下「宅地の造成等」という。)
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第3条第1項第5号
木竹の伐採
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第4条第1項第1号ロ・ハ(建築物の許可の基準)
当該建築物の建ぺい率が十分の二以上十分の四以下の範囲内において条例で定める割合を超えないこと。(中略)当該建築物の外壁又はこれに代わる柱の面から敷地の境界線までの距離が一メートル以上三メートル以下の範囲内において条例で定める距離以上であること。
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第4条第1項第2号(工作物の許可の基準)
建築物以外の工作物の建設については、当該工作物の位置、規模、形態及び意匠が、当該建設の行われる土地及びその周辺の土地の区域における風致と著しく不調和でないこと。ただし、仮設の工作物及び地下に設ける工作物については、この限りでない。
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)
風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第4条第1項第4号イ(宅地の造成等の許可の基準)
木竹が保全され、又は適切な植栽が行われる土地の面積の宅地の造成等に係る土地の面積に対する割合が、十パーセント以上六十パーセント以下の範囲内において条例で定める割合以上であること。
出典:e-Gov法令検索(風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令)

風致地区で許可が必要になる外構・庭の工事(横浜市の例)

出典:都市計画法 第9条第22項・第58条第1項、風致地区内における建築等の規制に係る条例の制定に関する基準を定める政令 第2条・第3条第1項・第4条第1項(e-Gov法令検索・2026年10月24日確認)、横浜市「横浜市風致地区制度の概要」「風致地区条例Q&A」(2026年10月24日確認)。対象規模は横浜市風致地区条例による例で、他の自治体では異なります。

行為横浜市で手続きが必要になる規模外構・庭の工事の例根拠
木竹の伐採建築物のある敷地で、高さが5mを超える木竹の伐採。建築物のない土地では木竹の伐採(間伐・枝打ち・整枝など木竹の保育のための通常の管理行為を除く)庭木の伐採・抜根を伴う庭の作り替え政令第3条第1項第5号、横浜市Q&A
宅地の造成等(土地の形質の変更)面積が60㎡を超える土地の形質の変更、又は1.5mを超えるのりを生ずる切土・盛土を伴うもの庭の造成、土の入れ替えを伴う駐車場の新設政令第3条第1項第3号、横浜市Q&A
工作物の新築等擁壁などの屋外工作物、広告板その他これらに類するもので、高さ1.5mを超えるものの新築・改築・増築・移転擁壁の新設・作り替え政令第3条第1項第1号、横浜市Q&A
建築物の建築等建築・増築・改築・移転で、その部分の床面積の合計が10㎡を超えるもの物置・離れなど床面積のある建物の増築政令第3条第1項第1号、横浜市Q&A
手続き確認申請書を提出する前に許可申請書を提出する。標準処理期間15日、申請料なし。工事中は許可標を掲示し、完了後は完了届を提出する—横浜市「横浜市風致地区制度の概要」

風致地区は、都市の風致を維持するために都市計画で定める地区である

都市計画法第9条第22項は、風致地区を、都市の風致を維持するため定める地区としています。同法第58条第1項は、風致地区内における建築物の建築、宅地の造成、木竹の伐採その他の行為について、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で、都市の風致を維持するため必要な規制をすることができると定めています。規制の内容は条例で定められるため、許可が必要になる規模や基準は自治体ごとに異なります。

条例を定めるのは、面積10ha以上で2以上の市町村にわたる地区は都道府県、それ以外は市町村

政令第2条は、面積が10ha以上の風致地区(2以上の市町村の区域にわたるものに限る)に係る条例は都道府県が、その他の風致地区に係る条例は市町村が定めるとしています。文京区は、風致地区の許可権限が東京都から区に移譲され、平成26年4月1日から区内の風致地区に関する許可は全て区で行うと案内しています。また、他区にまたがる風致地区(お茶の水)には従来どおり東京都風致地区条例が適用され、関口台には文京区風致地区条例が適用されるとしています。同じ区内でも、地区によって適用される条例が異なる場合があります。

許可の対象は建物だけではなく、木竹の伐採・造成・工作物の建設も含まれる

政令第3条第1項は、風致地区内で許可を受けなければならない行為として、建築物の建築その他工作物の建設(第1号)、建築物等の色彩の変更(第2号)、宅地の造成、土地の開墾その他の土地の形質の変更(第3号)、木竹の伐採(第5号)などを挙げています。ただし、非常災害のための応急措置、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で条例で定めるものは除かれます。横浜市は、建築物のある敷地で行う高さ5mを超える木竹の伐採、面積60㎡を超える土地の形質の変更、高さ1.5mを超える擁壁などの工作物の新築等を、手続きが必要な場合として示しています。庭木の伐採、庭の造成、擁壁の作り替えといった外構・庭の工事でも、規模によっては許可が必要になります。

許可の基準には、建ぺい率・壁面の後退距離・植栽の割合が含まれる

政令第4条第1項は、許可の基準として、建築物については建ぺい率を10分の2以上10分の4以下、外壁又はこれに代わる柱の面から敷地の境界線までの距離を1m以上3m以下の範囲内で条例で定めることなどを示しています(第1号)。建築物以外の工作物は、位置、規模、形態及び意匠が周辺の風致と著しく不調和でないこと(第2号)、宅地の造成等は、木竹が保全され又は適切な植栽が行われる土地の割合が10%以上60%以下の範囲内で条例で定める割合以上であること(第4号イ)が基準です。横浜市は、角地緩和など建築基準法による建ぺい率の緩和は適用できないと案内しています。

手続きは確認申請の前に行い、完了後は届出が必要(横浜市の例)

横浜市は、建築物等の建築については確認申請書を提出する前に風致地区内行為許可申請書を提出するよう求めており、標準処理期間は15日、申請料はかからないとしています。工事期間中は工事現場の見やすい場所に許可標を掲示し、許可行為を完了又は廃止したときは完了(廃止)届を速やかに提出します。木竹の伐採の完了届には、伐採後の写真と、スケールをあてた補植樹木の写真(植込本数と樹高、植込場所のわかるもの)を添付するとしています。許可に付した条件への違反等が発覚した場合は罰則の対象になると案内しています。外構業者や造園業者に依頼する場合も、許可の申請者と工事の工程を事前に決めておきます。

敷地が風致地区かどうかは、市区町村の都市計画で確認する

敷地が風致地区に含まれるか、どの種別か、どの条例が適用されるかは、市区町村の都市計画で確認します。横浜市は、行政地図情報システム(iマッピー)又は都市計画課で確認できるとしています。当サイトでは個別の敷地が対象になるか、許可が必要かを判定していません。工事の前に、敷地のある市区町村の風致地区の担当窓口にご確認ください。

風致地区で外構・庭の工事をする前に確認すべき事項

  • 1敷地が風致地区に含まれるか、種別と適用される条例(都道府県又は市区町村)を確認する
  • 2庭木を伐採する場合は、木の高さや本数が条例で許可の対象になる規模かを確認する
  • 3造成・土の入れ替え・切土・盛土を伴う場合は、面積とのりの高さが対象規模かを確認する
  • 4擁壁などの工作物を新設・作り替える場合は、高さが対象規模かを確認する
  • 5建物の増築や建て替えを伴う場合は、確認申請の前に許可申請を行う工程を組む
  • 6許可後は許可標の掲示と、完了届(補植した樹木の写真など)の提出までを業者と分担する

関連する工事の解説

よくある質問

Q風致地区では、庭木を切るだけでも許可が必要ですか。▼
A政令第3条第1項第5号は、木竹の伐採を許可が必要な行為に挙げていますが、通常の管理行為や軽易な行為で条例で定めるものは除かれます。横浜市では、建築物のある敷地で高さが5mを超える木竹を伐採する場合に手続きが必要とされ、間伐・枝打ち・整枝など木竹の保育のための通常の管理行為は除かれています。対象となる規模は自治体ごとに異なるため、伐採の前に市区町村の担当窓口でご確認ください。
Q風致地区の許可と建築確認は、どちらを先に申請しますか。▼
A横浜市は、建築物等の建築については、確認申請書を提出する前に風致地区内行為許可申請書を提出するよう案内しています。標準処理期間は15日です。他の自治体でも、建築確認の前に風致地区の許可を求める例があるため、工程を組む際に担当窓口へご確認ください。
Q風致地区の決まりは全国で同じですか。▼
A同じではありません。都市計画法第58条第1項は、政令で定める基準に従い、地方公共団体の条例で規制を定めるとしています。政令は建ぺい率(10分の2以上10分の4以下)や植栽の割合(10%以上60%以下)などの範囲を示し、具体的な数値は条例で定められます。適用される条例は、地区の面積などにより都道府県の条例か市町村の条例かが分かれます。

出典

条文は2026-10-24時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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