庭リフォームナビ

緑化地域とは|一定規模以上の敷地の新築・増築に求められる緑化率と、外構工事で植栽を減らす場合の注意(都市緑地法第34条・第35条)

緑化地域は、都市緑地法にもとづき市町村が都市計画で定める区域です。区域内で一定規模以上の敷地に建物を新築・増築する場合、敷地面積に対する緑化施設の面積の割合(緑化率)を、都市計画で定める最低限度以上にする必要があります。この義務は建物の完成後も続くため、庭の植栽を減らして駐車場や土間コンクリートにする外構工事でも確認が必要です。条文を引用して、緑化地域の規定と、東京都の緑化計画書制度との違いを整理しています。

最終更新日:2026-10-23

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

都市緑地法 第34条第1項(緑化地域に関する都市計画)
都市計画区域内の都市計画法第八条第一項第一号に規定する用途地域が定められた土地の区域のうち、良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内において緑化を推進する必要がある区域については、都市計画に、緑化地域を定めることができる。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法 第34条第2項 抜粋
緑化地域に関する都市計画には、(中略)建築物の緑化施設(植栽、花壇その他の緑化のための施設及び敷地内の保全された樹木並びにこれらに附属して設けられる園路、土留その他の施設(当該建築物の空地、屋上その他の屋外に設けられるものに限る。)をいう。以下この章において同じ。)の面積の敷地面積に対する割合(以下「緑化率」という。)の最低限度を定めるものとする。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法 第34条第3項
前項の都市計画において定める建築物の緑化率の最低限度は、十分の二・五を超えてはならない。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法 第35条第1項(緑化率)
緑化地域内においては、敷地面積が政令で定める規模以上の建築物の新築又は増築(当該緑化地域に関する都市計画が定められた際既に着手していた行為及び政令で定める範囲内の増築を除く。以下この節において同じ。)をしようとする者は、当該建築物の緑化率を、緑化地域に関する都市計画において定められた建築物の緑化率の最低限度以上としなければならない。当該新築又は増築をした建築物の維持保全をする者についても、同様とする。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法施行令 第9条(緑化率規制の対象となる敷地面積の規模)
法第三十五条第一項の政令で定める規模は、千平方メートルとする。ただし、土地利用の状況により、建築物の敷地内において緑化を推進することが特に必要であると認められるときは、市町村は、条例で、区域を限り、三百平方メートル以上千平方メートル未満の範囲内で、その規模を別に定めることができる。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法施行令)
都市緑地法施行令 第10条(緑化率規制の対象とならない増築の範囲)
法第三十五条第一項の政令で定める範囲は、増築後の建築物の床面積(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第二条第一項第三号の床面積をいう。以下同じ。)の合計が緑化地域に関する都市計画が定められた日における当該建築物の床面積の合計の一・二倍を超えないこととする。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法施行令)
都市緑地法 第37条第1項(違反建築物に対する措置)
市町村長は、第三十五条(第三項を除く。)の規定又は同項の規定により許可に付された条件に違反している事実があると認めるときは、当該建築物の新築若しくは増築又は維持保全をする者に対して、相当の期限を定めて、その違反を是正するために必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法 第41条(建築基準関係規定)
第三十五条、第三十六条及び第三十九条第一項の規定は、建築基準法第六条第一項に規定する建築基準関係規定(以下単に「建築基準関係規定」という。)とみなす。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)
都市緑地法 第115条(罰則)抜粋
(中略)第三十七条第一項(第四十三条第四項において準用する場合を含む。)(中略)の規定による命令に違反したときは、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
出典:e-Gov法令検索(都市緑地法)

緑化地域と東京都の緑化計画書制度の比較

出典:都市緑地法 第34条・第35条・第37条・第41条・第115条、都市緑地法施行令 第9条・第10条(e-Gov法令検索・2026年10月23日確認)、世田谷区「みどりの計画書・緑化地域制度(面積250平方メートル以上及び風致地区内等)」「緑化地域制度に基づく緑化施設の維持管理」、東京都環境局「緑化計画書制度」「緑化計画書の届出」(いずれも2026年10月23日確認)。

制度対象求められること根拠
緑化地域(都市緑地法)緑化地域内で、敷地面積1,000㎡以上(市町村が条例で300㎡以上1,000㎡未満の規模を定めた区域ではその規模以上)の建築物の新築・増築緑化率を都市計画で定める最低限度以上にする(最低限度の上限は10分の2.5)。新築・増築後の維持保全をする者も同様法第34条・第35条第1項、施行令第9条
緑化地域と建築確認同上緑化率の規定は建築基準関係規定とみなされ、建築確認の審査対象になる法第41条
世田谷区の緑化地域敷地面積300㎡以上の新築・増築で、工事着手が平成22年10月1日以降のもの建築確認申請に緑化率適合証明通知書、完了検査の申請に緑化率適合等確認通知書を添付する。工事完了後も緑化率を最低限度以上に保つ世田谷区公表資料
東京都の緑化計画書制度(東京における自然の保護と回復に関する条例第14条)都内で敷地面積1,000㎡以上(国・地方公共団体が有する敷地は250㎡以上)の建築物の新築・改築・増築、駐車場の建設など確認申請の前までに緑化計画書を届け出て、緑化完了後に緑化完了書を届け出る。世田谷区を含む13区1市では区市の手続に一元化されている東京都環境局公表資料
緑化率を満たしていない場合緑化地域内の対象建築物市町村長は是正に必要な措置を命ずることができる。命令に違反した者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金法第37条第1項・第115条

緑化地域は、市町村が都市計画で定める区域である

都市緑地法第34条第1項は、用途地域が定められた区域のうち、緑地が不足し、建築物の敷地内で緑化を推進する必要がある区域について、都市計画に緑化地域を定めることができるとしています。緑化地域の都市計画では、緑化率の最低限度を定めます(同条第2項)。最低限度は10分の2.5を超えてはならないと定められています(同条第3項)。敷地が緑化地域に含まれるかどうかは、敷地のある市区町村の都市計画で確認します。

緑化率には、植栽のほか花壇・保全した樹木・附属する園路や土留も含まれる

第34条第2項は、緑化施設を、植栽、花壇その他の緑化のための施設と敷地内の保全された樹木、これらに附属して設けられる園路、土留その他の施設と定め、建築物の空地、屋上その他の屋外に設けられるものに限っています。緑化率は、この緑化施設の面積の敷地面積に対する割合です。緑化施設の面積の算出方法は国土交通省令で定めるとされています(第40条)。

対象は、敷地面積1,000㎡以上の新築・増築。市町村は条例で300㎡まで規模を下げられる

第35条第1項は、緑化地域内で敷地面積が政令で定める規模以上の建築物の新築又は増築をしようとする者に、緑化率を最低限度以上とすることを求めています。施行令第9条は、この規模を1,000㎡とし、市町村が条例で、区域を限り、300㎡以上1,000㎡未満の範囲で別に定めることができるとしています。緑化地域の都市計画が定められた際に既に着手していた行為と、床面積の合計が都市計画の決定日の1.2倍を超えない増築は、対象から除かれます(第35条第1項、施行令第10条)。世田谷区は平成22年10月1日に緑化地域制度を導入し、敷地面積300㎡以上の新築又は増築で、工事着手が同日以降の建築行為を対象としています。

緑化率は建築確認と完了検査の要件になる

第41条は、第35条を建築基準法第6条第1項の建築基準関係規定とみなしています。このため、緑化率の規定は建築確認の審査の対象になります。世田谷区は、建築確認申請の際に緑化率適合証明通知書の添付が必要であり、建築完了検査の申請の際には緑化率適合等確認通知書を添付するとしています。また、緑化工事が終了しない場合は建築の完了検査を受けられないと案内しています。外構工事を建物と別の業者に依頼する場合も、緑化工事の完了時期を建物の工程とあわせて決めておく必要があります。

建物の完成後も緑化率を保つ義務があり、庭を駐車場にする工事でも確認が必要

第35条第1項は、新築又は増築をした建築物の維持保全をする者についても、緑化率を最低限度以上とすることを求めています。世田谷区は、樹木が枯れたり、敷地利用を変更したために基準の緑化率を下回った場合は違法状態になるとし、樹木の植え直しや植栽地の追加により適法な状態にするよう案内しています。緑化地域で建てた住宅の庭を駐車場や土間コンクリートにする、植栽を撤去してテラスにするといった外構工事では、工事後も緑化率が最低限度以上になるかを、事前に市区町村の担当窓口で確認します。第37条第1項は、違反している事実があると認めるときに市町村長が是正に必要な措置を命ずることができると定め、第115条はその命令に違反した者に1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を定めています。

東京都の緑化計画書制度は、都市緑地法の緑化地域とは別の制度

東京都は、「東京における自然の保護と回復に関する条例」第14条にもとづき、都内で敷地面積1,000㎡以上(国及び地方公共団体が有する敷地は250㎡以上)の敷地で建築物の新築・改築・増築、駐車場の建設などを行う場合に、緑化計画書の届出を求めています。提出時期は確認申請の前まで、緑化完了後は速やかに緑化完了書を届け出ます。新宿区、渋谷区、荒川区、品川区、豊島区、江東区、港区、葛飾区、江戸川区、目黒区、足立区、世田谷区、大田区、国分寺市の13区1市では、都の手続は不要で、各区市の条例にもとづく手続に一元化されています。世田谷区では、敷地面積250㎡以上の建築物の新築・増築などで「みどりの計画書兼緑化率適合証明申請書」を建築確認申請の前に提出し、緑化地域の緑化率適合証明の申請もこの書類でまとめて行えます。

自分の敷地が対象かどうかは、市区町村の緑化担当で確認する

緑化地域を定めているか、条例で対象規模を下げているか、緑化率の最低限度がいくつかは、市区町村ごとに異なります。また、緑化地域がない市区町村でも、条例による緑化の届出が定められている場合があります。当サイトでは個別の敷地が対象になるかを判定していません。敷地のある市区町村の都市計画・緑化の担当窓口(世田谷区は計画地を管轄する総合支所の街づくり課)にご確認ください。

緑化地域で外構・庭の工事をする前に確認すべき事項

  • 1敷地が緑化地域に含まれるか、市区町村の都市計画で確認する
  • 2敷地面積が対象規模(1,000㎡、又は条例で定めた300㎡以上の規模)以上かを確認する
  • 3建物の新築・増築では、緑化工事の完了を完了検査の前に間に合わせる工程を組む
  • 4建物の完成後に庭を駐車場・土間コンクリート・テラスにする場合は、工事後の緑化率が最低限度以上になるかを窓口で確認する
  • 5枯れた樹木の撤去だけで工事を終えず、植え直しの要否を確認する
  • 6都内の敷地では、東京都又は区市の緑化計画書の手続が必要かもあわせて確認する

関連する工事の解説

よくある質問

Q緑化地域では、どのくらいの広さの敷地が対象になりますか。▼
A都市緑地法施行令第9条は、対象となる敷地面積を1,000㎡とし、市町村が条例で、区域を限り、300㎡以上1,000㎡未満の範囲で別に定めることができるとしています。世田谷区の緑化地域では、敷地面積300㎡以上の新築又は増築で、工事着手が平成22年10月1日以降のものが対象です。
Q緑化地域に建てた家の庭を、あとから駐車場にしてもよいですか。▼
A都市緑地法第35条第1項は、新築又は増築をした建築物の維持保全をする者にも、緑化率を最低限度以上とすることを求めています。世田谷区は、敷地利用の変更などで基準の緑化率を下回った場合は違法状態になるとしています。工事後も緑化率を満たすかどうかを、工事の前に市区町村の担当窓口でご確認ください。
Q東京都の緑化計画書と、緑化地域の緑化率は同じ制度ですか。▼
A別の制度です。緑化地域は都市緑地法にもとづき市町村が都市計画で定めるもので、緑化率の規定は建築確認の審査対象になります(同法第41条)。東京都の緑化計画書は「東京における自然の保護と回復に関する条例」第14条にもとづく届出で、都内で敷地面積1,000㎡以上(国・地方公共団体の敷地は250㎡以上)の建築などが対象です。世田谷区など13区1市では、区市の手続に一元化されています。

出典

条文は2026-10-23時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

同じ分野(農地・土地利用)のガイド

他の法令・手続き

手続きの要否は、見積もりの段階で確認する

複数の業者に同じ条件で相談すると、申請の扱いや工程の違いを比較できます

PR一括見積もりサービスを比較する →