庭の雨水ますや排水管を新設・付け替える場合の決まり|下水道法第10条・第11条と施行令第8条
土間コンクリートの打設や庭の造成、カーポートの設置などの工事では、雨水ますや排水管を新設したり、位置を付け替えたりすることがあります。公共下水道の排水区域では、敷地の雨水や汚水を公共下水道に流すための排水設備について、下水道法と同法施行令に設置する者と構造の基準が定められています。条文を引用して、庭の排水工事に関係する規定を整理しています。
最終更新日:2026-10-19
本ページの見方
- 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
- 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
- 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。
根拠となる条文
下水 生活若しくは事業(耕作の事業を除く。)に起因し、若しくは付随する廃水(以下「汚水」という。)又は雨水をいう。出典:e-Gov法令検索(下水道法)
公共下水道の供用が開始された場合においては、当該公共下水道の排水区域内の土地の所有者、使用者又は占有者は、遅滞なく、次の区分に従つて、その土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水管、排水渠その他の排水施設(以下「排水設備」という。)を設置しなければならない。(中略)建築物の敷地である土地にあつては、当該建築物の所有者出典:e-Gov法令検索(下水道法)
前項の規定により設置された排水設備の改築又は修繕は、同項の規定によりこれを設置すべき者が行うものとし、その清掃その他の維持は、当該土地の占有者(前項第三号の土地にあつては、当該公共施設を管理すべき者)が行うものとする。出典:e-Gov法令検索(下水道法)
第一項の排水設備の設置又は構造については、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)その他の法令の規定の適用がある場合においてはそれらの法令の規定によるほか、政令で定める技術上の基準によらなければならない。出典:e-Gov法令検索(下水道法)
排水設備は、公共下水道管理者である地方公共団体の条例で定めるところにより、公共下水道のますその他の排水施設又は他の排水設備に接続させること。(中略)排水設備は、陶器、コンクリート、れんがその他の耐水性の材料で造り、かつ、漏水を最少限度のものとする措置が講ぜられていること。ただし、雨水を排除すべきものについては、多孔管その他雨水を地下に浸透させる機能を有するものとすることができる。(中略)分流式の公共下水道に下水を流入させるために設ける排水設備は、汚水と雨水とを分離して排除する構造とすること。(中略)管渠の勾配は、やむを得ない場合を除き、百分の一以上とすること。出典:e-Gov法令検索(下水道法施行令)
前条第一項の規定により排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、又は他人の設置した排水設備を使用することができる。この場合においては、他人の土地又は排水設備にとつて最も損害の少い場所又は箇所及び方法を選ばなければならない。出典:e-Gov法令検索(下水道法)
排水設備の技術上の基準のうち庭の工事に関係する主な項目(下水道法施行令第8条)
出典:下水道法 第2条・第10条・第11条、下水道法施行令 第8条(e-Gov法令検索・2026年10月19日確認)。接続の方法と排水管の内径などは、公共下水道管理者である地方公共団体の条例で定めるところによるとされています(施行令第8条第1号・第6号)。
| 項目 | 基準の内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 接続先 | 条例で定めるところにより、公共下水道のますその他の排水施設又は他の排水設備に接続させる | 施行令第8条第1号 |
| 構造 | 堅固で耐久力を有する構造とする | 同第2号 |
| 材料 | 耐水性の材料で造り、漏水を最少限度とする措置を講じる。雨水を排除するものは、多孔管など雨水を地下に浸透させる機能を有するものとすることができる | 同第3号 |
| 分流式の地域 | 汚水と雨水とを分離して排除する構造とする | 同第4号 |
| 勾配 | やむを得ない場合を除き、100分の1以上とする | 同第5号 |
| 排水管の内径 | 条例で定めるところにより、排除すべき下水を支障なく流下させることができるものとする | 同第6号 |
| ます・マンホールの位置 | 専ら雨水を排除すべき管渠の始まる箇所、流路の方向又は勾配が著しく変化する箇所などに設ける | 同第8号 |
| ふた | ます又はマンホールにふたを設ける(汚水を排除するものは密閉できるふた) | 同第9号 |
| どろため | 専ら雨水を排除すべきますの底には、深さ15センチメートル以上のどろためを設ける | 同第10号 |
雨水も下水道法上の「下水」に含まれる
下水道法第2条第1号は、「下水」を、生活若しくは事業に起因し、若しくは付随する廃水(汚水)又は雨水と定義しています。同条第3号は、公共下水道として、汚水を排除する下水道のほか、主として市街地における雨水のみを排除するために地方公共団体が管理する下水道も定めています。庭に降った雨水を公共下水道に流す設備も、同法の排水設備の規定の対象になります。
排水設備の設置は、建物の敷地では建物の所有者が行う
第10条第1項は、公共下水道の供用が開始された場合、排水区域内の土地の下水を公共下水道に流入させるために必要な排水管、排水渠その他の排水施設(排水設備)の設置を求めています。設置する者は区分されており、建築物の敷地である土地では当該建築物の所有者とされています。第10条第2項は、排水設備の改築又は修繕は設置すべき者が行い、清掃その他の維持は土地の占有者が行うと定めています。賃貸住宅の庭では、改築・修繕と日常の清掃とで担う者が異なる点にご留意ください。
ますや排水管の構造は、施行令第8条の基準による
第10条第3項は、排水設備の設置又は構造について、建築基準法その他の法令の規定によるほか、政令で定める技術上の基準によらなければならないと定めています。その基準が施行令第8条です。庭の工事では、汚水と雨水を分けて流す分流式の地域かどうか(第4号)、排水管の勾配(第5号)、雨水ますの位置とどろため(第8号・第10号)が関係しやすい項目です。雨水を排除する排水設備は、多孔管など雨水を地下に浸透させる機能を有するものとすることもできるとされています(第3号ただし書)。
他人の土地を通さなければ流せない場合
第11条第1項は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、又は他人の設置した排水設備を使用することができると定めています。その場合は、他人の土地又は排水設備にとって最も損害の少ない場所又は箇所及び方法を選ばなければなりません。他人の排水設備を使用する者は、利益を受ける割合に応じて費用を負担するとされています(同条第2項)。隣地との雨水の流れについての民法の規定は、カーポート・土間コンクリートの雨水と排水のページで整理しています。
本ページで判定できない事項
敷地が公共下水道の排水区域に含まれるか、分流式か合流式か、接続の方法や排水管の内径の基準は、公共下水道を管理する地方公共団体によって異なります(施行令第8条第1号・第6号)。工事の前の手続きや、工事を行う業者についての定めが条例に置かれている場合もあります。当サイトでは個別の工事の適否を判定していません。お住まいの自治体の下水道担当窓口と施工業者にご確認ください。
庭の排水工事の前に確認すべき事項
- 1敷地が公共下水道の排水区域に含まれるか、分流式か合流式かを自治体の下水道担当窓口で確認する
- 2雨水ますや排水管を新設・付け替える範囲を、見積もりと図面で確認する
- 3工事の前に自治体への手続きが必要か、施工業者に確認する
- 4排水管の勾配と、雨水ますの位置・どろための有無を施工業者に確認する
- 5雨水を地下に浸透させる方式にする場合は、敷地の条件に合うかを施工業者に確認する
- 6隣地を通して排水する必要がある場合は、着工前に隣地の所有者と方法・費用の分担を話し合う
関連する工事の解説
よくある質問
Q庭の雨水ますを増やす工事に、下水道法の決まりはありますか。▼
Q排水設備を設置するのは誰ですか。▼
Q隣の土地に排水管を通すことはできますか。▼
出典
条文は2026-10-19時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。