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畑や田を庭・駐車場にする場合の手続き|農地法第4条・第5条の転用許可と、市街化区域の届出

敷地の一部や隣接する畑・田を、庭や駐車場、資材置き場として使いたいという相談は少なくありません。農地法は、農地を農地以外のものにすること(農地転用)について、許可又は届出の手続きを定めています。手続きを経ずに工事をした場合は、工事を請け負った業者も原状回復の命令の対象になります。条文を引用して、農地を庭や駐車場にする前に確認すべき規定を整理しています。

最終更新日:2026-10-21

本ページの見方

  • 引用している条文は、e-Gov法令検索で公開されている現行の条文をそのまま転記したものです。読みやすさを考慮して省略した箇所は「(中略)」と表記しています。
  • 条文に定められている事項と、個別の敷地・計画についての判断は異なります。当サイトは個別の案件について適法・違法の判定を行っていません。
  • 自治体や道路管理者ごとに異なる手続きの様式・手数料・処理期間は、本ページには記載していません(条文に定められている数値のみを扱っています)。

根拠となる条文

農地法 第2条第1項(定義)
この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法 第4条第1項(農地の転用の制限)抜粋
農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(中略)の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。(中略)市街化区域(中略)内にある農地を、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法 第4条第2項
前項の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法 第4条第6項(許可をすることができない場合)抜粋
第一項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。(中略)農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。以下同じ。)内にある農地
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法 第5条第1項(転用のための権利移動の制限)抜粋
農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法施行令 第3条(市街化区域内にある農地を転用する場合の届出)
法第四条第一項第七号の届出をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した届出書を農業委員会に提出しなければならない。農業委員会は、前項の規定により届出書の提出があつた場合において、当該届出を受理したときはその旨を、当該届出を受理しなかつたときはその旨及びその理由を、遅滞なく、当該届出をした者に書面で通知しなければならない。
出典:e-Gov法令検索(農地法施行令)
農地法施行令 第10条第1項(市街化区域内にある農地又は採草放牧地の転用のための権利移動についての届出)
法第五条第一項第六号の届出をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した届出書を農業委員会に提出しなければならない。
出典:e-Gov法令検索(農地法施行令)
農地法 第51条第1項(違反転用に対する処分)抜粋
都道府県知事等は、(中略)工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復その他違反を是正するため必要な措置(以下この条において「原状回復等の措置」という。)を講ずべきことを命ずることができる。(中略)前二号に掲げる者から当該違反に係る土地について工事その他の行為を請け負つた者又はその工事その他の行為の下請人
出典:e-Gov法令検索(農地法)
農地法 第64条(罰則)抜粋
次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。第三条第一項、第四条第一項、第五条第一項又は第十八条第一項の規定に違反した者
出典:e-Gov法令検索(農地法)

農地を庭や駐車場にする場合の手続きの区分(農地法第4条・第5条)

出典:農地法 第2条・第4条・第5条・第51条・第64条、農地法施行令 第3条・第10条(e-Gov法令検索・2026年10月21日確認)、農林水産省「農地転用許可制度について」。都道府県知事等には、農林水産大臣が指定する市町村(指定市町村)の区域では指定市町村の長が当たります(第4条第1項)。

場面必要な手続き根拠
自分の農地を、市街化区域の外で庭や駐車場にする都道府県知事等の許可。申請書は農業委員会を経由して提出する第4条第1項・第2項
自分の農地を、市街化区域の中で庭や駐車場にするあらかじめ農業委員会に届け出る。受理したかどうかは書面で通知される第4条第1項第7号、施行令第3条
農地を買う・借りるなどして、市街化区域の外で庭や駐車場にする当事者が都道府県知事等の許可を受ける第5条第1項
農地を買う・借りるなどして、市街化区域の中で庭や駐車場にするあらかじめ農業委員会に届け出る第5条第1項第6号、施行令第10条
許可又は届出をせずに転用した場合工事の停止や原状回復等の措置の命令の対象になる。工事の請負人・下請人も対象に含まれる。罰則あり第51条第1項、第64条

農地かどうかは、耕作の目的に供されているかで定められている

農地法第2条第1項は、「農地」を耕作の目的に供される土地と定義しています。定義は登記簿の地目によるものではありません。地目が宅地でも畑として使われている土地や、地目が畑で現在は耕作していない土地では、農地法上の農地に当たるかどうかを、工事の前に農地が所在する市町村の農業委員会に確認します。

庭や駐車場にすることも、農地を農地以外のものにすることに当たる

第4条第1項は、農地を農地以外のものにする者に、都道府県知事等の許可を求めています。条文は転用後の用途を住宅などに限定していません。畑を砂利敷きの駐車場にする、土間コンクリートを打つ、芝生の庭にして耕作をやめるといった計画でも、自分の農地であるかどうかにかかわらず、この規定に当たるかを確認する必要があります。許可を受けようとする者は、申請書を農業委員会を経由して都道府県知事等に提出します(第4条第2項)。

市街化区域の中では、許可ではなく農業委員会への届出になる

第4条第1項第7号は、都市計画法の市街化区域内にある農地を、あらかじめ農業委員会に届け出て農地以外のものにする場合を、許可の例外としています。届出は届出書を農業委員会に提出して行い、農業委員会は受理したかどうかを書面で通知します(施行令第3条)。届出は工事の前に行う手続きです。受理の通知を確認してから工事の日程を決めると確実です。

農地を買う・借りて庭や駐車場にする場合は、第5条の手続きになる

隣の畑を買い取って駐車場を広げる場合のように、転用のために農地の所有権を移転したり賃借権などを設定したりするときは、第5条第1項により、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければなりません。市街化区域内では、あらかじめ農業委員会に届け出る手続きになります(同項第6号、施行令第10条)。

手続きをせずに工事をすると、請け負った業者も原状回復の命令の対象になる

第51条第1項は、第4条第1項又は第5条第1項に違反した者に対して、都道府県知事等が工事の停止や、相当の期限を定めた原状回復等の措置を命ずることができると定めています。命令の対象には、違反に係る土地の工事を請け負った者と、その下請人も含まれます(同項第3号)。第64条は、第4条第1項又は第5条第1項に違反した者などに3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金を定めています。

許可の見込みと区域の確認は、農業委員会で行う

第4条第6項は、農業振興地域の農用地区域内にある農地など、許可をすることができない場合を定めています(同項ただし書に例外があります)。敷地が市街化区域か、農用地区域に含まれるか、許可の見込みがあるかは、土地ごとに異なります。農林水産省は、都道府県の担当部局や市町村の農業委員会でも農地転用許可制度の相談を受けているとしています。当サイトでは個別の土地の転用の可否を判定していません。農地が所在する市町村の農業委員会にご確認ください。

農地を庭や駐車場にする工事の前に確認すべき事項

  • 1工事をする土地が農地法上の農地に当たるかを、農地が所在する市町村の農業委員会に確認する
  • 2土地が市街化区域の中か外か、農用地区域に含まれるかを確認する
  • 3市街化区域の外では許可、中では届出が必要になることを前提に、工事の日程を組む
  • 4農地を買う・借りて使う場合は、第5条の手続きが必要になることを売主・貸主と共有する
  • 5許可書又は届出の受理通知を受け取ってから、施工業者に着工を依頼する
  • 6見積もりを依頼する業者に、敷地が農地であることを伝える

関連する工事の解説

よくある質問

Q自分の土地の畑を駐車場にする場合も、許可が必要ですか。▼
A農地法第4条第1項は、農地を農地以外のものにする者に都道府県知事等の許可を求めており、自分が所有する農地も対象です。市街化区域内にある農地では、あらかじめ農業委員会に届け出る手続きになります(同項第7号)。土地がどちらに当たるかは、農地が所在する市町村の農業委員会でご確認ください。
Q登記簿の地目が畑ですが、何年も耕作していません。農地に当たりますか。▼
A農地法第2条第1項は、農地を耕作の目的に供される土地と定義しており、登記簿の地目による定義ではありません。耕作していない期間がある土地が農地に当たるかどうかは個別に判断されるため、工事の前に農業委員会に確認してください。
Q許可を取らずに駐車場にしてしまった場合はどうなりますか。▼
A農地法第51条第1項は、都道府県知事等が、違反した者や工事を請け負った者に対して、工事の停止や原状回復等の措置を命ずることができると定めています。また第64条は、第4条第1項に違反した者などに3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金を定めています。早めに農業委員会にご相談ください。

出典

条文は2026-10-21時点でe-Gov法令検索に掲載されていた内容を確認して転記しています。法令は改正されることがあるため、実際の手続きの前には最新の条文と、所管する窓口の案内をご確認ください。

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